不安の正体は「知らないこと」そのもの。崖条例にかかる家は売れないのか、価格はどれくらい下がるのか、どんな条件を飲めばいいのか。ここを具体的に整理すれば、手放し方は必ず見えてきます。結論から言うと、売却は可能。ただし融資や安全性、契約条件に制約が生じやすいので、専門性ある買取業者との比較検討がカギです。
崖条例の「売れにくさ」の正体を分解する
- そもそも何が難しい?
崖条例は自治体が定める建築・安全規制で、擁壁の構造や建物配置、崖からの離隔などに厳しい基準が課されます。これによって建て替えや新築の自由度が下がり、金融機関の融資も通りにくくなるため、一般需要が細りやすいのが「売れにくい」と言われる背景です。 - 読者の不安に直球で答える
「買い手はつくの?」→つく。ただし現金購入や訳アリ専門の買取が中心になりやすい。
「いくらで売れるの?」→相場よりも値引きが入ることが多く、擁壁・地盤対策が必要な場合はさらに価格調整が一般的。工事費の目安も含めて理解しておくと交渉で不利になりません。 - この記事の目的
用語・規制・融資・工事費・契約条件を「使える粒度」で整理し、あなたの物件に合う売却ルート(仲介か買取か、補強して売るか現状で売るか)を自分で選べるようにすること。
崖条例とは何か、売却にどう影響するのか
崖条例の要点と適用範囲
- 定義と基準の感覚
一般に傾斜角が約30度以上、かつ高さが2〜3m程度以上の急傾斜が「崖」と扱われ、崖の上・下にある宅地に建築上の制限がかかる場合があります。自治体の個別条例で離隔距離や擁壁仕様が細かく定められます。 - 建築制限の具体例
崖の上は既存擁壁の耐力不足が課題になりやすく、改修またはやり替えが必要になるケースあり。崖の下は崖上端からの水平距離を高さいくつ分以上確保するなど、建物配置の制約が大きくなる地域もあります。 - 融資への影響
擁壁が現行基準に適合していない、地盤リスクが高い、建て替えの自由度が低い—このような要素が重なると住宅ローンの審査が通りづらく、買い手が現金や自己資金での購入に限られがちです。
自治体のハザード指定(土砂災害警戒区域など)との重なりも評価に影響。都市部では警戒区域の割合が広いエリアもあり、重要事項説明での告知が必須になります。
一般の買い手が敬遠する理由
- 安全性の懸念
「崖地=災害時に危険かもしれない」という心理的ハードル。擁壁の耐用年数や施工時期が古い場合、追加調査・補修が前提になりやすく、手間と費用への不安が強い。 - 資産価値の不安定さ
建て替え・増改築の自由度が低く、再販時も買い手が限られる可能性がある。結果、値下がりを織り込む必要があり、一般層の需要は弱くなる。 - 融資のハードル
ローン審査で擁壁の適合性や地盤リスクがネックになりやすく、買い手は「現金」「投資・再生のプロ」「訳アリ専門買取」に偏る傾向がある。
実際に買取業者から提示される条件の具体例
価格の下がり方と調整要因
- 価格面
相場より2〜5割のディスカウントが入りやすいのは、擁壁・地盤・配置制約に伴う手当て費用の織り込みが理由。専門業者は「工事・リスク・収益化スキーム」を前提に値付けします。 - 工事費の目安が価格に直結
擁壁改修費は高さ1mあたり15〜30万円程度が目安。高さ5mなら75〜150万円。地盤改良や杭基礎を要すると、さらに大きな費用インパクトが出るため、査定での減額要素になりがちです。
追加条件の典型パターン
- 売主負担の工事前提
擁壁や地盤の補強を売主負担で行う前提、または工事費を価格に反映して値引き要求されることがあります。 - 残置物・境界・是正対応
残置物撤去、境界明示、是正工事(越境・排水・擁壁ひび割れなど)を売主側で完了させる条件が付くケースも。専門買取では「現状のまま受け入れ」オプションが提示されることもあります。
契約条件のポイント
- 瑕疵担保(契約不適合)責任の免責
崖・擁壁・地盤に関わる未知の不具合リスクが高く、免責での引渡しを求められる場面が多い。売主としては「現状有姿」「免責」の代わりに価格やスピードでメリットが得られる構図です。
売却を成功させるための選択肢
専門業者への相談(スキームで差が出る)
- 訳アリ専門の買取を軸に検討
崖地の活用ノウハウがある専門業者は、擁壁・地盤・配置の課題を「収益化スキーム」で解くため、仲介で売れない案件でも買い取り可能。スピードと確定性を重視するなら有力ルートです。 - 仲介と買取の使い分け
仲介は市場価格に近づけられる可能性はあるが、融資難で買い手が限られ、期間・是正対応の負担が重くなりやすい。買取は価格が下がるが、手間とスピードで勝る。あなたの優先順位(価格・手間・時間)で選ぶのが合理的。
補強工事・是正で「買われる状態」に整える
- 擁壁の適合性確認と改修
施工年次・構造・排水・ひび割れ・天端の安全設備有無を点検。必要に応じて改修計画を取得。簡易補修ではなく、適合性の証跡(設計図・写真・施工報告)まで揃えると評価が上がります。 - 地盤調査・改良(計画の見える化)
スウェーデン式サウンディングやボーリングで地耐力のエビデンスを取り、必要な改良工法(表層改良・柱状改良・杭基礎)の概算見積を添える。買い手の不安を事前に潰すことで値引幅を圧縮できます。
相続・税務・手続の段取り
- 相続登記の早期完了と告知整備
相続登記・境界確定・重要事項の告知整備(警戒区域、擁壁状況、是正履歴)を前倒し。情報の透明性は価格だけでなく「売れ切る確率」を上げます。 - 資産整理のタイミング
課題がある不動産ほど維持コスト(固定資産税・管理)が長期化で重くなる。売却を先送りするほどトータルの持ち出しが増えるため、一定の条件で早期確定する戦略も合理的です。
複数査定の重要性(前提と比較軸)
- 少なくとも3社以上の査定
崖・擁壁・地盤の評価と再生スキームは会社ごとに大きく異なるため、1社のみの提示条件で決めない。価格・支払いスピード・工事負担・残置物対応・免責条件のセットで比較する癖を。
売却ルート比較(仲介 vs 専門買取)
| 指標 | 仲介売却 | 専門買取 |
|---|---|---|
| 価格期待 | 相場に近づく可能性 | 相場からディスカウント |
| 買い手の融資 | 通りにくいことが多い | 不要(事業者の自己資金) |
| スピード | 不確定・長期化しやすい | 最短で確定・早い |
| 是正・工事負担 | 売主負担になりがち | 現状引き取りも選択可 |
| 契約不適合責任 | 追及されやすい | 免責が前提のことが多い |
価格調整のロジックを掴む「簡易モデル」
- 擁壁改修費の反映
擁壁高さ (h)(m)× 15〜30万円 ≈ 概算改修費。高さ5mなら75〜150万円。査定ではこの費用にプラスして設計・調査・諸経費、アクセス難による割増も織り込まれます。 - 融資不可による需要縮小
「買い手総数×融資通過率」が低下=販売期間延長・機会費用増。買取はこの機会費用も値引き根拠に含めるため、体感ディスカウントが大きく見えます。 - 配置制約・再販難度
崖からの離隔や建物形状の制約で再販プランが限定される=出口利回り低下→現在価値の割引。専門業者はこの出口を改善する設計・造成のノウハウで「割引幅」を抑えにいきます。
よくある質問に会話形式で回答
- Q:うちの擁壁、図面がない。査定は不利になる?
A:不利になりやすいです。写真・施工年代の推測・近隣の擁壁台帳・簡易診断でも「現状把握」を増やすほど不確実性が下がり、値引幅は圧縮できます。 - Q:仲介で3カ月出したが反応が薄い…打つ手は?
A:①擁壁・地盤の追加エビデンスを出す、②是正前提の価格改定、③専門買取へルート変更。この三択。時間コストが重いと感じるなら③が合理的です。 - Q:警戒区域に入っている。もう売れない?
A:売れます。重要事項説明での告知は必須ですが、専門買取はハザード前提での収益化スキームを持っています。一般需要は弱くても「買える事業者」は存在します。 - Q:瑕疵免責って怖い。後から揉めない?
A:専門買取の免責は「価格・スピード・現状引渡し」とセット。契約書で免責範囲を明確化し、売主の知らない瑕疵は免責とする条項でトラブルを避けます。心配なら弁護士・宅建士に事前確認を。
実務チェックリスト(着手前に整えると強い)
- 現地情報
- 崖位置・高さ・傾斜の概況写真とメモ
- 擁壁の素材(コンクリート・石積み等)と劣化状況
- エビデンス
- 図面・施工写真・工事報告書の有無
- 地盤調査結果(簡易でも可)と改良工法の概算
- 規制・告知
- 自治体の崖条例・土砂災害区域の該当有無
- 重要事項説明で告知すべき事項の洗い出し
- 売却方針
- 価格重視か、スピード重視か、手間極小か
- 仲介→3カ月で反応薄なら買取へ切替の条件を事前定義
事例イメージで理解する(擁壁高さ5mの戸建)
- 現状
築40年、擁壁は昭和期施工でひび割れ・排水不良。土砂警戒区域に一部該当。 - 仲介での課題
ローン不可が多く、現金買い主に限られる。擁壁改修費(75〜150万円+設計・調査・諸経費)を嫌気し、内見はあるが申込に至らない。 - 専門買取での進め方
現状引取・免責前提でスピード買取。再生時に擁壁改修・地盤改良・配置見直しで出口を設計。価格は相場からのディスカウントだが、持ち出しゼロ・即日〜短期資金化のメリットが勝るケースも。
情報提供としての選択肢:訳アリ不動産買取専門店「ラクウル」
訳アリ(再建築不可・事故・崖条例・近隣トラブルなど)に特化した買取店。仲介手数料なし、残置物そのまま、最短で現金化まで進めるスキームを提供。崖条例物件のように融資や是正がネックになるケースでも、現状引取・免責前提の買取を提案できる可能性があります。詳細は公式サイトをご確認ください。
露骨な勧誘ではなく、選択肢の一つとして。複数査定の比較材料に加えると「条件セット(価格×スピード×負担)」の納得感が上がります。
まとめ:崖条例でも「売れる」—条件設計がすべて
- 結論
崖条例エリアの家は売却可能。ただし価格調整・融資難・是正前提・免責条件など、現実的な制約を理解したうえでルート選択が必要。 - 実務の指針
- 相場とディスカウントの根拠(擁壁・地盤・規制)を掴む
- 3社以上の査定で「価格×スピード×負担×免責」を比較
- 情報・エビデンスを整え、買われる状態を作る
- 次の一歩
仲介で反応が薄い、是正費用が重い、早期現金化したい。こうした場合は訳アリ専門の買取も含めて、複数査定で条件を見比べてください。納得できる落としどころは、比較からしか生まれません。
参考リンク(外部情報)
- がけ条例にかかる土地の価値と売却方法(AlbaLinkナビ)
https://albalink.co.jp/realestate/cliff-ordinance-land-value/ - 傾斜地・崖地が売れない理由と売却方法(URUHOME)
https://uruhome.net/slopingland_sellingmethod/ - 崖地が売れない理由と売却方法(訳あり物件買取プロ)
https://wakearipro.com/cliff-land-cannot-sell/ - 特殊指定区域(土砂災害・崖条例など)の土地売却(MayLight)
https://maylight.co.jp/mansion-baikyaku/gake-dosyasaigai.html - 崖条例と擁壁工事・費用感の具体解説(CANVAS HOME 北九州)
https://canvashome-t.com/column/detail/20250523090803/ - 崖地の高価買取・残置物対応の事例(トラブル不動産売却センター)
https://trouble-fudosan.com/cliff - 高低差・崖土地は専門買取がおすすめ(イエコン)
https://iekon.jp/column/stigmatized-property/18197


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