―現場レベルの疑問から“勝てる準備”まで徹底解説―
「訳アリ物件を売りたいけど、正直こわい。」
「どんな質問をされるのか分からないから、不安で動けない。」
もし、今こんな気持ちなら、このページはかなり役立つと思います。
なぜならこの記事は、単なる「事故物件って大変だよね」という一般論ではなく、
- 実際の売却現場で“本当に飛んできた質問”
- その質問の裏にある買主心理
- 売主としてどう準備しておくべきか
- 法律・ガイドラインを踏まえた注意点
まで、かなり踏み込んで解説しているからです。
そして最終的には、
「怖いけど、やってみよう」
「質問されても大丈夫と思える」
そんな状態になってもらうことをゴールにしています。
訳アリ物件売却でよくある不安と、買主の質問が持つ“破壊力”
「訳アリ物件を売る」と決めたとき、多くの人がつまずくポイント
訳アリ物件(事故物件・心理的瑕疵・近隣トラブル・再建築不可など)を売ろうとすると、多くの人が最初にぶつかる壁は、価格よりも先に「質問への不安」です。
- 何を聞かれるのか分からない
- どこまで話せばいいのか判断できない
- 本当のことを言ったら、誰も買ってくれないのでは?
そして、ここが厄介なのですが、
「何を聞かれるか分からない」=「準備のしようがない」と感じてしまい、行動が止まる
パターンが非常に多いのです。
なぜ“買主からの質問”が売却成功に直結するのか?
訳アリ物件の売却では、買主の質問タイムが、ある意味で「合否判定の面接」のような役割を持ちます。
- 回答が曖昧 → 「何か隠している?」と不信感
- 質問に詰まる → 「この人から買うのは怖い」と感じられる
- 言うことが途中で変わる → 「後からトラブルになりそう」と判断される
逆に、
- 質問に対して事実ベースでスムーズに答えられる
- 「分からないこと」は分からないと認めた上で、資料や専門家を示せる
- 説明の内容が一貫している
こうした対応ができると、訳アリ物件であっても、
「リスクはあるけど、この売主なら信用できる」
と判断され、購入検討に前向きになってもらえます。
この記事で分かること(メリット)
この記事を読み終える頃には、次のようなことがクリアになります。
- 実際にどんな“意外な質問”が飛んでくるのか
- なぜ買主はそこまで突っ込んで聞いてくるのか(買主の心理)
- それに対し、売主としてどう準備し、どう答えるべきか
- 法律・ガイドライン上、どこまで説明しなければいけないのか
- 自力での対応が難しいとき、どんな専門家やサービスを頼るべきか
「訳アリだから売れない」ではなく、
「訳アリだからこそ、準備で差がつく」
その具体的な方法を、ここから順番に解きほぐしていきます。
実際にあった「驚いた買主の質問」の具体例
まずは一番気になるであろう、「リアルな質問」からいきます。
単なる想像ではなく、売主・仲介業者・買取業者の現場で実際に出てきた質問を、テーマ別に整理しました。
事故物件に関する“深掘り系”の質問
質問例A:「その時、誰が家にいましたか?」
自殺・他殺・事故死など、いわゆる“人の死”が絡む物件では、
「その瞬間の状況」に関する質問がかなり細かく入ることがあります。
よく聞かれる項目は例えばこんな感じです。
| 質問内容のタイプ | 具体的な質問例 |
|---|---|
| 状況の詳細 | 「家族は同居していましたか?」 |
| 発見の経緯 | 「誰が、いつ、どのように見つけたのですか?」 |
| 部屋の特定 | 「どの部屋・どの場所で亡くなられたのですか?」 |
| 発見までの時間 | 「発見までどのくらい時間が経っていましたか?」 |
売主からすると「そこまで聞くの?」というレベルですが、
買主からすると、
- 自分や家族が暮らすイメージを持つため
- 心理的抵抗感をどれくらい受け止められるか判断するため
という理由で、かなり具体的な情報を求めてきます。
質問例B:「匂いやシミは、もう完全に取れていますか?」
特殊清掃が入った物件の場合、
- 匂い(臭気)
- 床や壁のシミ
- 腐敗によるダメージ
などに対する警戒心は非常に強いです。
ここでのポイントは、
「完全に消えています」などと安易に言ってしまうと、後でトラブルになりやすい
ということです。
※この点は、後の「トラブル回避」の章で詳しく触れます。
近隣トラブル系の“人となりチェック”質問
質問例C:「今もその人は住んでいますか?」
過去に騒音・ゴミ・嫌がらせなどのトラブルがあった場合、
まず聞かれるのは「今もその人がそこにいるのか?」です。
- すでに引っ越している → リスクは下がる
- まだ住んでいる → これからもトラブルが続く可能性
買主にとっては、かなり重要な判断材料になります。
質問例D:「どんなタイプの人でしたか?」
売主からすると“人格評価”に踏み込んだような質問で、答えにくさを感じるところですが、
実際の現場では、
- 「年代や家族構成は?」
- 「仕事の有無やライフスタイルは?」
- 「トラブル時、話し合いは成立しましたか?」
といった質問が普通に出てきます。
ここで、感情的な悪口になってしまうと、逆に売主の印象が悪くなりがちなので、
事実ベースで整理して話せるようにしておく必要があります。
心理的瑕疵物件ならではの“感覚的”な質問
質問例E:「夜に変な音がしたり、気味が悪いと感じたことはありますか?」
心理的瑕疵物件では、「怖さ」への耐性は人によって違うため、
買主は次のようなことを確認したがります。
- 実際に住んでみてどう感じたか
- 来客の反応はどうだったか
- 体調不良などはなかったか
物理的な状態よりも、「住んでいる人の主観」への質問が多いのが特徴です。
再建築不可・権利関係の“未来不安”系の質問
質問例F:「将来、建て替えできる可能性は本当にゼロですか?」
再建築不可物件や私道負担が絡む物件では、
- 「将来的に道路が広がる予定は?」
- 「隣地の人と交渉すれば、状況が改善される見込みは?」
など、“未来の可能性”に関する質問が非常に多いです。
このあたりは、
- 行政の都市計画情報
- 道路の種別
- 役所での事前相談結果
など、第三者の情報をセットで示せると説得力が増します。
価格交渉のための“探り”系の質問
質問例G:「訳アリを踏まえて、どこまで値下げできますか?」
訳アリ物件の買主は、基本的に「安く買いたい」というニーズが明確です。
そのため、事故内容・トラブル内容を一通り聞いた後で、
- 「その内容を考えると、あと◯◯万円は下げてもらえませんか?」
- 「他に内見者はいますか? いなければ、もう少し…」
といった形で、情報を「値下げの材料」にしてきます。
ここで、「その場の空気」で値引きに応じてしまうと、価格がどんどん崩れていきます。
事前に“値引きの限度ライン”を決めておくことが非常に重要です。
なぜその質問が出るのか?買主心理を分解する
ここからは、先ほどのような質問が「なぜ出てくるのか」を整理していきます。
質問の背景にある心理を理解しておくと、答え方や準備すべき情報がかなり明確になってきます。
買主心理その1:リスクをできるだけ数値化したい
訳アリ物件の買主は、
- リスクをゼロにはできないと知っている
- その上で、「許容できるリスクかどうか」を判断したい
というスタンスで質問してきます。
例えば事故物件の場合、
- どんな死因か(自然死か、自殺か、他殺か)
- どれくらいの年月が経っているか
- 清掃・リフォームでどのレベルまで復旧しているか
といった要素を、自分の中で“点数化”しているイメージです。
国土交通省が示した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」でも、
自殺・他殺・事故死などの事案は、買主の契約判断に重大な影響を与えるため、告知が必要とされています。
買主心理その2:売主の“誠実さチェック”
訳アリ物件では、どうしても
- 「何か隠しているかも」
- 「不利なことは言わないかも」
といった疑念が生まれやすくなります。
そのため、買主はあえて踏み込んだ質問を投げて、
- 話し方が急に濁らないか
- 表情や態度が不自然にならないか
- 説明に矛盾がないか
をチェックしていることが少なくありません。
ここで大事なのは、
「全部完璧に答えられること」ではなく、
「分からないことを、分からないと言えること」です。
買主心理その3:値下げの材料を探している
質問の全てが“純粋な不安”から来ているわけではなく、
値下げの交渉材料を探すための情報収集という側面もあります。
- マイナス情報が多い → 「その分、もっと安くなるはず」
- 売主が弱気 → 「押せば、もっと下がるかも」
といった感情が働きます。
だからこそ、
- マイナス情報は事実として淡々と伝える
- その上で、「だからこの価格です」と根拠を持つ
この2点が非常に重要になります。
買主心理その4:将来の“売却リスク”を見ている
買主は自分が住むだけでなく、
「将来、自分が売るときに苦労しないか?」も意識しています。
- 今後の相場下落リスク
- 再建築不可による出口の難しさ
- 事故歴が続いていくことの影響
こうした「出口戦略」を考える人ほど、細かい質問が増えます。
特に投資家やセミプロのような買主は、この視点が非常に強いです。
売主が準備しておくべき回答・資料と、その作り方
ここからは、実務的な話に入ります。
「結局、何を用意すればいいの?」という部分を、チェックリスト形式で整理します。
事故・心理的瑕疵に関する情報整理
まず、「人の死」や「心理的瑕疵」に関わる場合に、最低限まとめておきたい情報を表にします。
| 項目 | 具体的に整理しておきたい内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 年月日・時間帯(分からなければ概ねで可) |
| 発生場所 | 物件内か、敷地内か、近隣か/どの部屋か |
| 死因 | 自殺・他殺・事故死・不明など |
| 発見までの時間 | 数時間〜数日〜数週間など |
| 特殊清掃の有無 | 実施の有無・実施業者・実施日・内容 |
| リフォーム状況 | 床や壁の張り替え箇所・設備交換の有無 |
| その後の入居状況 | 事件後に誰かが住んだか、空き家だったか |
国土交通省の検討会やガイドラインでも、こうした情報は「契約判断に大きく影響する」とされており、
適切な告知が求められています。
可能であれば、特殊清掃・リフォームの見積書や領収書なども保管しておき、
「どのくらいの対処をしたか」を客観的に示せるとベストです。
近隣トラブルの“事実”整理
近隣トラブルの場合、「感情」ではなく「事実」ベースでまとめておくことが重要です。
- いつ頃から、どんなトラブルが始まったか(例:2020年ごろから夜間の騒音)
- 相手はどの建物のどの部屋か(特定できる範囲で)
- 管理会社や警察、自治体などに相談した履歴があるか
- 現在も続いているのか、収束しているのか
これらを時系列で簡単にメモにしておくと、
買主に聞かれたときに落ち着いて説明できますし、
感情的な表現に寄りすぎるのを防ぐこともできます。
権利関係・再建築不可の資料
権利が複雑な物件や再建築不可物件では、次のような資料があると説得力が段違いです。
- 登記簿謄本(全部事項証明書)
- 公図・測量図
- 建築確認済証・検査済証
- 行政への事前相談の記録(メモやメールでも可)
- 道路種別が分かる資料(市役所で取得した図面など)
こうした資料は、買主だけでなく、不動産会社や専門家に相談する際にも役立ちます。
価格の根拠を“言語化”しておく
訳アリ物件は、「なんとなく安くした」では説得力がありません。
例えば、次のような考え方で「値引きの根拠」を簡単に整理しておくと、
交渉時にブレにくくなります。
| 項目 | 概算の考え方 |
|---|---|
| 周辺の相場価格 | 同じエリア・築年数の一般物件の成約価格 |
| 訳アリのマイナス分 | 相場から◯◯%下げる/◯◯万円減額など |
| 修繕・清掃費用 | 実際にかかった費用または見積もり額 |
| 早期売却のディスカウント | 「早く売るためにさらに◯◯万円」など |
「この物件は、周辺相場が◯◯万円ですが、
事故歴を踏まえて◯%下げて、さらに早期売却を意識して◯◯万円下げています。」
ここまで説明できると、買主からの値下げ交渉にも、根拠を持って向き合えます。
トラブルを避けるための注意点(法律・ガイドラインも踏まえて)
ここでは、「これをやると危ない」というポイントを整理しておきます。
特に、後から契約不適合責任や損害賠償の話にならないようにする意味で、とても重要なパートです。
一番危険なのは「隠すこと」
訳アリ物件で絶対に避けたいのは、
- 事故やトラブルの事実を、あえて言わない
- 聞かれた時だけなるべく濁す
といった「意図的な不告知」です。
国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、
自殺・他殺・日常生活では想定しにくい事故死などは、原則として告知の対象とされています。
また、過去の裁判例でも、心理的瑕疵を隠して売却した結果、
損害賠償責任を負うケースが複数存在します。
「言わなければ高く売れるかも」という発想は、
短期的にはプラスに見えても、長期的には大きなリスクを抱えることになります。
曖昧な表現を避ける
次のような表現は、後になって「言った・言わない問題」になりやすいです。
- 「たぶん問題ないと思います。」
- 「前のことなので、あまり覚えていません。」
- 「不動産屋さんからは大丈夫と言われました。」
これらはすべて、
- 何をもって「問題ない」と言っているのか
- 誰の判断に基づいているのか
が曖昧です。
基本的には、
- 事実:「◯年◯月に◯◯がありました」
- 自分の認識:「私自身は〇〇と感じていました」
- 第三者の判断:「専門業者からはこう説明されています」
この3つを分けて話すイメージを持つと、安全度が上がります。
「知らなかった」は必ずしも免罪符にならない
売主が「知らなかった」場合でも、
裁判などでは「知らなかったことに過失はなかったか」が問われるケースがあります。
たとえば、
- 調べれば分かることを調べていなかった
- 近隣で広く知られている事実を把握していなかった
などが問題になることがあります。
すべてを把握することは難しいですが、
少なくとも、
- 自分が知っている範囲を整理する
- 不明点は不動産会社や専門家に確認する
この2点をやっておくだけでも、リスクはかなり下げられます。
記録を残しておく
トラブルを避ける上で地味に効いてくるのが、「記録」です。
- 買主へどんな説明をしたか(メモ・メール)
- 不動産会社とどんなやり取りをしたか
- 特殊清掃・リフォーム・相談履歴の書類
これらが残っていると、万が一トラブルになったときの“防御力”が格段に違います。
専門家に相談すべきケースと、「ラクウル」のような専門サービスという選択肢
ここまで読んで、「自分で対応するのはちょっと不安だ…」と思った方もいるはずです。
そう感じたとしたら、それはむしろ“正常な感覚”です。
訳アリ物件は、一般的な売却よりも情報量も判断も多く、
一人で抱え込むと、かなり消耗しやすいテーマです。
専門家に相談した方がいい代表的なケース
特に、次のような場合は、早めに専門家を挟んだ方が安全です。
- 事件性のある死亡(殺人・不審死など)が絡んでいる
- 近隣トラブルが現在進行形で続いている
- 再建築不可や権利関係が複雑で、自分では整理しきれない
- 相続や複数の共有名義などが絡んでいる
- とにかく早く現金化する必要がある
こうした案件は、不動産会社の中でも「対応に慣れている会社」と「慣れていない会社」で差が出やすい領域です。
訳アリ物件“専門”の買取サービスという選択肢
一般的な仲介では敬遠されがちな物件でも、
最初から「訳アリ物件を積極的に買い取ります」とうたっている専門サービスも存在します。
その一例として、
のようなサービスがあります。
ここでは、
- 事故物件
- ゴミ屋敷
- 再建築不可
- 共有持分だけの売却
など、通常の不動産会社だと相談しにくい物件を対象にしています。
「まずは相談だけ」「どれくらいの金額になるのか知りたい」
という形で問い合わせる人も多く、
- 一般市場で売るべきか
- 専門買取に出した方がいいか
を比較検討する“判断材料”として使う方もいます。
この記事ではあくまで一つの情報としての紹介ですが、
「自力で売るのはハードルが高い」と感じる場合、
こうした専門サービスも選択肢のひとつとして頭に入れておくと、心が少し楽になるはずです。
結論:訳アリ物件の売却は、「想定外をどこまで想定しておけるか」で決まる
最後に、この記事のポイントをぎゅっとまとめます。
- 訳アリ物件の売却では、通常では考えないレベルの「踏み込んだ質問」が飛んでくる
- その質問は、買主の「リスクを知りたい」「売主の誠実さを確認したい」という心理の表れ
- 質問を恐れるのではなく、「来そうな質問」を事前に想定し、事実と資料を整理しておくことが重要
- 事故歴・心理的瑕疵・近隣トラブル・再建築不可などは、法律やガイドライン上も“告知”が重視されている
- 隠すこと・曖昧にごまかすことは、一時的にプラスに見えても、長期的には大きなリスクになる
- 自力での対応が不安な場合は、不動産会社・弁護士・訳アリ専門買取サービスなど、外部の力を借りる方が、むしろ安全で早いことも多い
あなたがもし今、
「訳アリ物件を売るのが怖い」と感じているなら、
それは“失敗したくない”と思っているからこそ出てくる感情です。
その感情自体は、とても健全です。
あとは、その不安を、“準備”と“情報”に変えていくだけです。
- どんな質問が来そうかを書き出してみる
- この記事のチェックリストに沿って情報を整理してみる
- 自分だけで抱え込まず、相談先の候補を一つ持っておく(例:ラクウルなどの専門サービス)
このあたりから一歩ずつ始めてみれば、
「訳アリだから売れない」ではなく、
「訳アリでも、ちゃんと向き合えば売れる」に、きっと感覚が変わっていきます。
もし、この記事の内容をもとに、
「自分のケースに当てはめた質問想定リストを作ってほしい」
といったニーズがあれば、物件の状況をざっくり教えてもらえれば、そこに合わせた質問集・回答案も一緒に考えられます。


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