最初の電話って、息を吸い込む瞬間が一番苦しいですよね。「何から言えばいいの?」「訳アリって言ったら嫌な顔をされない?」——そんな不安に寄り添いながら、実際に使える“最初のひと言”と、その後の会話運びまでを丁寧に深掘りします。途中で「もし相手にこう言われたら?」という想定問答も入れて、電話の場面に強くなれるようにサポートします。
なぜ「最初のひと言」が相談成功のカギなのか
不動産会社への初回相談で一番緊張するのは、事実の伝え方ではなく「切り出し方」です。最初のひと言で、相手は「相談の主旨」「緊急度」「信頼できる相手か」を瞬時に判断します。だからこそ、最初の3秒に“整った骨子”を置いておくことが、結果的にあなたを守ります。
- 不安の正体:
- 曖昧さ: 「どこまで話すべきか」が分からない
- 拒否への恐れ: 訳アリだと断られるかも、という想像
- 準備不足: 基本情報を聞かれて詰まるかもしれない不安
- 最初のひと言が効く理由:
- 主語化の効果: 「相談の目的」を先に置くことで、相手の聴く姿勢が整う
- 段階開示: 詳細ではなく“相談可否の確認”から入ると会話が安全運転になる
- 印象管理: 落ち着いた冒頭は、その後の配慮ある対応へつながる
ヒント:「詳細は後で」ではなく「目的は先に」を合言葉に。最初のひと言は「相談目的+訳アリの含み+可否確認」で構成します。
初回相談の電話でよくある不安を分解する
不安の構造と解き方の表
| 不安の内容 | よくある背景 | 有効な対策 | 成功のサイン |
|---|---|---|---|
| 最初に何を言えばいいか分からない | 事故や心理的瑕疵の告知タイミングに迷う | 目的→属性→可否の三段構成で切り出す | 「では、状況を教えてください」が返ってくる |
| 冷たくされるのが怖い | 一般流通では敬遠されると聞いた | 専門性の有無を早めに確認 | 「当社でも扱いがあります」が返る |
| 質問に答えられないかも | 基本情報の棚卸し不足 | 事前に“4点セット”を準備 | 会話が滞らず、次のアポイントに進む |
| 断られたらショック | 一社目への期待が大きい | セカンド案(専門業者)を用意 | 断られても再起動が早い |
ここでの目的は「不安を無くす」ことではなく「不安のハンドルを握る」こと。言い方の順番と、準備の粒度をあなたの味方につけます。
よくある質問に会話で答える
- Q: 訳アリは最初に言うべき?
A: 最初の一文に“特殊事情あり”の含みを入れて、詳細は可否確認のあとに。「特殊事情のある物件で…」まで言えば十分。深掘りは“相談可能”の返事のあとで安全に。 - Q: 断られたらどうする?
A: 「専門取扱の有無」を先に問うことで、断られてもダメージを最小化。加えて、専門店のセカンド案を用意しておけば、行き止まりが通過点に変わります(例として、訳あり物件の専門店【ラクウル】の存在を知っておくと心強いです)。 - Q: どこまで詳細を話すべき?
A: 初回は“概要+相談目的+次の段取り”まで。詳細な経緯・資料は面談や査定時でOK。
実際に使える「最初のひと言」台本例(状況別)
最初のひと言は“短く・端的・含みあり”。ここから先は状況別に“冒頭の一文+続き方”までセットで用意します。声に出して読めるよう、会話のテンポで作りました。
台本A:オーソドックスな切り出し
- 最初のひと言:
「はじめまして。少し事情のある不動産の売却について、相談の可否をお伺いしたくお電話しました。」 - 続き方(相手の返事次第):
- 相手:「どういった事情でしょう?」
あなた:「心理的な事情がありまして、まずは取り扱いが可能かを確認したいです。可能であれば概要からご説明します。」 - 相手:「当社でも対応はしています。」
あなた:「ありがとうございます。所在地と物件の概要を簡単にお伝えしますね。」
- 相手:「どういった事情でしょう?」
ねらい:相談目的を先に置き、事情は“心理的な事情”と柔らかく表現。相手の専門性を確認してから深掘りへ。
台本B:心理的瑕疵(事故・事件など)をほのめかす場合
- 最初のひと言:
「所有物件に心理的な事情があり、売却について相談可能かまず確認させてください。」 - 続き方(要点の順序):
あなた:「場所は千葉県勝浦市で、木造の戸建です。築25年ほど。詳細は面談時でも構いませんが、方針の見立てだけ先に伺えますか?」
ねらい:キーワードは“心理的な事情”。具体性は“所在地・種別・築年”までで止める。方針の“見立て”という言葉は、相手に答えやすい。
台本C:再建築不可・狭小・旗竿地など物理的ハンディの場合
- 最初のひと言:
「制限のある土地でして、一般流通が難しい可能性があり、売却相談が可能かお伺いしたくお電話しました。」 - 続き方:
あなた:「接道の条件で制限がありそうです。専門的な取り扱いの実績があれば、概要をご説明したいです。」
ねらい:専門実績の有無を早めに確認して、非対応なら早く次へ。
台本D:相続・権利関係が絡む場合
- 最初のひと言:
「相続絡みで事情のある物件の売却を検討しています。初回相談の範囲でお話し可能でしょうか?」 - 続き方:
あなた:「共有者がいて、整理の段取りから相談したいです。対応可能なら必要資料を教えてください。」
ねらい:段取り相談を前面に出すことで、相手が“手順”で返してくれる。
台本E:時間優先(急いで売りたい)場合
- 最初のひと言:
「事情のある物件で、時間を優先した売却の相談が可能か確認させてください。」 - 続き方:
あなた:「買取含めて選択肢を比較したいです。最短の流れと、必要な初期情報を教えていただけますか?」
ねらい:“買取”という具体語で相手の選択肢提示を促す。スピード感は最初に明示。
すぐ使える一文のミニ辞書
- 相談可否の確認:「相談の可否をまず確認させてください。」
- 事情の含み:「少し特殊な事情がある物件です。」
- 深掘りは後で:「詳細は面談時でも構いません。」
- 専門性の確認:「専門的な取り扱い実績はありますか?」
- 段取りの依頼:「必要な初期情報や資料を教えてください。」
電話をスムーズに進めるための準備ポイントを徹底
準備は“過不足”が鍵。多すぎると伝えきれない、少なすぎると詰まる。初回は「4点セット+2補助」で十分です。
準備の4点セット(必須)
- 物件の基本情報:
- 所在地(市区町村+大まかな住所)
- 種別(戸建/区分マンション/土地)
- 築年数・構造(木造/RC など)
- 面積(ざっくりでOK)
- 事情の種類:
- 心理的瑕疵(事故・事件・自殺など)
- 物理的制限(再建築不可、接道条件、越境など)
- 権利関係(相続、共有、居住者あり)
- 売却の優先条件:
- スピード(急ぐ/普通)
- 価格(最大化/手早く)
- 匿名性(近隣への配慮)
- 連絡の希望スタイル:
- 折り返しの時間帯
- メール/電話の希望
- 面談可能日
ここまで整っていれば、初回相談の“詰まり”はほぼ防げます。
補助の2点(あると助かる)
- 現況写真(スマホでOK): 外観・室内・接道の3枚程度
- 資料の在処: 登記簿謄本・固定資産税の納税通知書・間取りメモなどの“ある/ない”だけ把握
電話の流れ(図解)
最初のひと言
↓
相談可否の確認(専門性の有無)
↓
基本情報の提示(所在地・種別・築)
↓
事情の種類を一言で(心理的/物理的/権利)
↓
優先条件の共有(スピード/価格/匿名性)
↓
次の段取り(査定方法・面談・必要資料)
流れのコツは「可否→概要→事情→優先→段取り」の順番。詰まったら“概要”に戻る。
よくある詰まりポイントと逃げ道
- 詳細を聞かれて苦しくなる
- 逃げ道:「詳細は面談時でも問題ないでしょうか。まずは取り扱いの方向性だけ伺いたいです。」
- 断り気味の空気
- 逃げ道:「専門の取扱が難しい場合、訳あり専門の買取業者への相談も考えています。一般流通での可否だけ先に教えてください。」
- 次の段取りが不明
- 逃げ道:「初回のステップとして、査定はオンライン・現地どちらが適していますか?必要資料は何から揃えればよいでしょう。」
想定問答集:相手からの“言われがち”に備える
相手:「当社では心理的瑕疵は基本的にお取り扱いが難しいです」
- 返し方(柔らかく切り替え):
「承知しました。専門取扱がある会社の方が早そうですね。もし一般流通で可能なケースの条件があれば教えていただけますか?」 - セカンド案の用意:
「専門店への相談も検討しています。訳あり物件の専門店の情報は自分でも調べてみます。」
相手:「詳細を先に教えてください」
- 返し方(守備的に):
「概要はお伝えできます。詳細は記録と確認が必要なので、面談時でも構いませんか?まずは取り扱い可能性の見立てを知りたいです。」
相手:「査定には現地確認が必要になります」
- 返し方(次へ進める):
「可能です。日程候補をお送りいただけますか?事前に用意した方がいい資料があれば教えてください。」
相手:「価格は正直あまり期待できません」
- 返し方(軸を整える):
「価格とスピードのバランスで考えます。買取と仲介、それぞれの目安感を比較したいです。」
ミニスクリプト:冒頭から段取り確定までの通し台本
あなた:「はじめまして。少し事情のある不動産の売却について、相談の可否をまず確認させてください。」
会社:「どういった物件でしょう?」
あなた:「千葉県勝浦市の戸建で、築25年ほどです。心理的な事情があり、一般流通が難しい可能性があります。取り扱いの方向性を伺えますか?」
会社:「当社でも対応は可能です。」
あなた:「ありがとうございます。スピード優先で検討しています。初回の査定はオンラインと現地どちらが適切でしょう?必要な資料も教えてください。」
会社:「現地での確認をしたいです。」
あなた:「承知しました。日程候補をいただけますか。現況写真も用意しておきます。」
目的は“会話のリード”。情報を小分けにしながら、次のアクションへ橋を架ける。
伝え方のテクニック:言葉選び・声・間
- 言葉選びのコツ:
- 否定語を避ける:「難しい」より「専門的」と言う
- 具体語で誘導:「見立て」「段取り」「必要資料」など、相手が返しやすい単語を使う
- 柔らかい含み:「心理的な事情」「少し事情のある」——具体語の前段に置く
- 声のトーン:
- 速度はゆっくり目(聞き取りやすさが第一)
- 語尾は短く(言い切ると安心感)
- 間を置く(相手のメモタイムを作る)
- 何度も使える型:
- 型1:目的→可否→概要
- 型2:事情→見立て→段取り
- 型3:優先条件→選択肢→次アクション
参考になる外部情報(理解の補助)
- 事故物件(心理的瑕疵)の基礎と市場感:
- SUUMOジャーナル「事故物件の告知義務の範囲」などを確認すると、どこまで話すべきかの基準感が掴めます。
https://suumo.jp/journal/
- SUUMOジャーナル「事故物件の告知義務の範囲」などを確認すると、どこまで話すべきかの基準感が掴めます。
- 再建築不可の制約と流通:
- LIFULL HOME’S 不動産用語集で再建築不可の定義を確認。
https://www.homes.co.jp/words/
- LIFULL HOME’S 不動産用語集で再建築不可の定義を確認。
- 訳あり物件の売却事例と選択肢比較:
- 不動産メディアのコラムで「仲介と買取の違い」「査定の考え方」を復習。
例)https://ft-school.com/column/40243/
- 不動産メディアのコラムで「仲介と買取の違い」「査定の考え方」を復習。
これらは“事実の基礎”を掴むための読み物。初回電話の前夜に目を通しておくと、言葉の自信が増します。
専門店という選択肢の紹介
訳アリ物件は、一般的な仲介ではスピードや価格面で折り合いがつきにくいケースがあります。そうしたとき、専門店への相談は現実的な選択肢です。
- 専門店の意義:
- 相談の早道: 初回から事情前提で話が進む
- 選択肢の提示: 仲介と買取の比較を前提化してくれる
- 近隣配慮: 匿名性や告知の扱いに理解がある
- 情報提供:訳あり物件の専門店【ラクウル】
- 事故物件や再建築不可など“売りにくさ”に特化した相談窓口として、選択肢の一つに。
- まずは「取り扱い可否の見立て」だけを聞いてみる、というライトな使い方で十分です。
勧誘ではなく“情報の整理”。一般仲介で難航しそうなら、専門店という“別ルート”を持っておくと心が軽くなります。
まとめ:最初のひと言が、あなたの不安にハンドルをつける
- 要点の再掲:
- 最初のひと言は短く、目的が先。「相談可否→概要→事情→優先→段取り」の順に並べるだけで、会話は整う。
- 準備は“4点セット+2補助”。詰まりは、準備の粒度でほぼ防げる。
- 想定問答で予習。“言われがち”に返す言葉を先に持っておく。
- 行動の一歩:
- 今、台本Aを声に出して読む。
- スマホで外観・室内・接道の写真を3枚撮る。
- 次の段取りの質問を1つ決める(例:「査定はオンラインと現地、どちらが適切ですか?」)。
電話は一度きりの勝負ではありません。準備と順序で“安全運転”を確保すれば、売却のスタートラインはあなたの手の中にあります。
付録:用途別テンプレート(コピー用)
- 一文テンプレ(一般)
「はじめまして。少し事情のある不動産の売却について、相談の可否をまず確認させてください。」 - 一文テンプレ(心理的瑕疵)
「心理的な事情のある物件の売却で、取り扱い可能性の見立てを伺いたいです。」 - 一文テンプレ(再建築不可系)
「制限のある土地で、一般流通が難しい可能性があります。専門取扱のご実績はありますか?」 - 段取り依頼
「初回の査定はオンラインと現地のどちらが適していますか?必要な資料があれば教えてください。」 - セカンド案の示唆
「一般流通が難しい場合、訳あり物件の専門店への相談も検討しています。」


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